救急車っていつ呼んでいいの?

救急車のサイレンが聞こえた時隣の人に迎えが来たよと言ったことがある方もない方も、こんばんは。僕は長いこと社会的に瀕死状態です。

昨夜から腰痛に悩まされております。いわゆるぎっくり腰です(だと思います)。ぎっくり腰になったのは今回が初めてで、湿布貼っても鎮痛剤のんでも全然よくならないことに驚いています。こんな痛みを味わったことがあったかどうか記憶にないのですが、陣痛ってもっと痛いのかなと考えると想像を絶します。

トイレや水分補給で起き上がるのさえ辛い。夜に発症し、あとは寝るだけだったのがせめてもの救いでした。一人暮らしで頼れる人もおらず、かなりの時間をかけてなんとか動くことができましたが、これ夕飯の準備中とかシャワー浴びてるタイミングだったらきっつい。すべての作業を一旦中断して後片付けもしないといけないし、刃物や滑って転倒などの二次的な怪我のリスクも高まります。夕飯食べたあとで本当によかったです。

ここで本題に入りますが、正直迷いました。救急車呼ぶべき?

もう一度昨日の僕の状態をおさらいしておきましょう。
・動くのが辛いほど激しい腰痛になったのは初めて
・辛いとは言っても自力でなんとか歩行でき、トイレくらいなら行ける
・翌朝もし増悪して起き上がれなかった場合、一人暮らしなので助けてくれる人がいない

結論からいうと「自力で医療機関に行けるなら呼ぶ必要はないが、呼んでも責められるケースではなかった」と思っています。

腰痛に限らず体動困難のケースでは、トイレにも自力で行けず、まったく起き上がれないのならば救急要請すべきと考えます。たとえ同居人がいたとしても、おそらく同居人の介助だけで医療機関に行くのは困難でしょうから、緊急性に関わらず救急車で医療機関に向かって必要な検査や処置を受けた方がいい。

僕のケースはそこまでの体動困難ではありませんでしたが、腰痛が初めてで原因が必ずしも明らかでない(交通事故にあったとか持病があるわけではない)ことから医療機関には行った方がよかったでしょう。
腰痛は、筋膜性腰痛症のような筋膜や筋肉が原因のものや、腰椎椎間板ヘルニアのような腰椎に原因にあることが多い一方で、実は尿管結石など他の疾患が原因のこともあります。腰痛の症状が出る中で僕が一番怖いなと思っているのが、腹部大動脈瘤の切迫破裂。破裂してしまえば、出血ショックによって命を落とす可能性が高いのです。また背中の痛みとともに冷や汗が出れば、心筋梗塞の可能性もあります。

結局僕は年齢が若い(30代)こと、血尿や冷や汗などの症状もない、鎮痛剤が手元にあること等々を理由に救急要請しませんでした。一応動けるので、大変ですが食事や排泄も自力でできますし。

また深夜の受診は医療費が高い。かかりつけの病院以外に初診で深夜(22~翌6時)に救急搬送されると診療報酬医科の

 A000 初診料 282点
    深夜加算 480点
 B001-2-6 夜間休日救急搬送医学管理料 600点

で合計1362点、健康保険は適用できますが僕は3割負担なので4090円もかかります。搬送されただけでですよ?これにレントゲンやら処置やらが加わってきます。僕の場合は精神科疾患患者等受入加算でさらに400点(1200円)上乗せされます。
ちなみに平日の時間内に初診でかかれば282点のみなので、3割負担の人で850円(初診料のみ)です。よっぽど必要でなければ受診をためらいます。

とはいえ、自力で対処できない症状がある場合は、僕みたいに勝手に自己判断せず医療機関に行った方がいい。命には代えられません。

昨今救急車の必要がないにも関わらず救急要請されるケースが散見されるなどの理由で、こういう時は呼んでいい、こんな時は自力で行くといったガイドブックができたり、消防庁でも#7119といった番号で相談を受けるようになっています。理屈としては理解できる気もしますが、そもそも救急車を呼ぶか迷ってる時点で9割方自力で医療機関に行けないってことなんじゃないかとも思います。救急車の適正利用は確かに重要ですが、ボーダーライン上の人は呼んじゃっていいのではと。

万が一救急車を軽症で呼んでしまっても罪にはなりません(医者や看護師にはめちゃくちゃ怒られると思いますし、救急隊員の対応もあからさまでしょうけど笑)。確かに世の中、ただの風邪で救急車を呼ぶ人や、指の小さな切創で救急車を呼ぶ人もいます。自力で病院行けよ、タクシーじゃねえんだぞって例は現実にあります。しかし自助を促すことで、真に救急車を必要な人が要請をためらってしまうのも本末転倒です。

不正利用の防止のために自助を促す。適正な利用を目指す。これも本来は真に救急車を必要とする人のために限りある救急の資源を適切に、効率よく活用することが目的のはずです。しかしながら不正防止が、かえって正当な利用を妨害しかねないというパラドックスを生み出しかねないと僕は思います。

生活保護もそうですが、ここには不正排除の思想が背景にあるのではないでしょうか。消防庁はガイドラインまで策定して不正排除は可能と考えているふしがありますが、はたして正当/不正を客観的に定めることなど可能なのでしょうか。そもそも正/不正は何を基準に分けるんでしょうか。スペトクトル型でなく、はっきりと白黒つけられるんでしょうか。

救急車を呼んでいいのかの議論は、人々を混乱させてるように思います。素人にはそんな判断できるわけありません(念のため言っときますが僕も素人ですし昨夜も悩みました)。実際高齢者が無理して自力で病院に来て、後から看護師に「救急車呼べばよかったのに」と言われてる光景を目にしたこともあります。だからこそ#7119を活用すべきなのですが。

末筆ながら、日夜活躍されている救急隊員また当直医師・看護師・コメディカルの方々には敬意を持っていますし、応援しています。

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